企画書の書き方
これまでに聞かれたことがあるものに企画書の書き方があります。
僕は営業時代、コピーライトなどを学ぶ前から企画書を書いていました。
人に教わることはなく「企画書の書き方」的な入門書を何冊か読むところからスタートしました。なのでベースは独学です。
ですが、当時はそれで企画を買って頂いておりました。現在もコンペで勝つので企画書としての役割は果たせているのだろうと思います。
僕が押さえているところを解説していきますが、「こうすれば通る企画書!」的な内容ではありませんのであしからず。
基本は、企画を考えた過程を順番に書けばよい
基本的には、企画を考えた過程をそのまま素直に書いていきます。
例えば
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その課題(ご依頼)に対して自分は何が問題ととらえたか。
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それを解決するコンセプトはこれ。なぜならこうだから。
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そこから出てきたアウトプット(施策、制作物など)はこれ。なぜならこうだから。
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金額
このような感じです。
必要であればその商品なり課題の状況や現状分析など資料類も入れていきます。
この市場分析など資料類ですが必要なけれ僕は入れません。ページ数稼ぎのようなことはしない。
クライアントさんがすでにわかっていることはカットします。
基本的に企画書は短く端的な方がいいと考えています。余計なページ、内容は極力削除します。
迷ってゴチャゴチャ書いてる時は大抵ダメです。
よくやっていたのが「A4一枚にすべてまとめる」
営業時代は北海道から沖縄までクライアントさんがいらっしゃいました。
遠方ですので頻繁に訪問してる時間も交通費もありません。そこはクライアント様にもご理解頂いていました。
となると企画書は郵送もしくはメールなどで送る形になります。僕が説明しながら企画書をご覧頂くことが出来ない。
ただでさえ、企画書というのは売り込みですから読みたいものではありません。クライアント様にそんなに積極性はないと考えた方がいい。
なので読みやすさを優先し、要点だけをまとめてすぐ読めるようにしていました。
そういうことも工夫と言えるかもしれません、
実際に営業時代(会社員時代)に作った企画書
このような作りですがご提示金額は数百万円です。それでもお買い上げ頂いておりました。
プレゼンできる場合は自分が喋るガイドとして作る
プロジェクターなどを使ってご自身がお話しできる場合は、話しをするガイドとして作ってしまうという手もあります。
そうすると、すべての要素について細かく書く必要はないので企画書作りがラクにはなると思います。
この場合は事前にリハーサル行い、どこまで書いてどこまで喋るか、時間内に収まるかなどを測っておくといいでしょう。
ここは事例を入れよう、図で示そうなども見えてきます。プレゼンする場合でも大抵は配布するので最低限どこまで書くかも見えます。
要するにどのような状況で誰が読むのか、ということまで考えると、どう書くかも明確になると思います。
飾りつけだけ上手くなるな
僕の企画書はあまり飾りつけしておらず簡素です。パワポ使いますがテンプレートは使いません。
理由はコピーライター講座で「飾りつけだけ上手くなるな」とよく言われていましたから。
「いい企画書を書きたいと思ったら、いい企画を作れ」おっしゃる通りでございます(笑)
「いい企画が出来れば、いい企画書なるから」と教わりました。ですが、それは本当です。
飾りつけが悪いわけではなく、それが目的になってはいけない。それでごまかそうとしてはいけない。
企画立案から逃げるなよ、ということです。
初めは型通りに
とはいいつつも、書いたことがない方にいきなりこう言ったお話はとてもハードルが高い。
ですので、まずどうしていいかわからないという方は「企画書の書き方」的な本を買ってきてそれに沿って作ってみて下さい。
僕が読んだのは漫画家の弘兼憲史さんが監修した本です。今はもう売っていないと思います。
弘兼さんは松下電器(現パナソニック)にお勤めをされており、その当時企画書を書いていらっしゃったようです。
「企画の背景」「市場の状況」など基本的なパワポのスライド構成によるものを説明されていました。
そいうったものをとにかくなぞって書いているうちに書けるようになっていくと思います。
僕は他の企画書本も読みました。それでも3冊くらいだと思います。
それらではパワポでの企画書ではない事例が多数載っており、それらを見ているうちに「要するに伝わればいいんだ」ととらえるようになりました。
今手元にあるのは例えばこちら。
商品企画書集です。もう絶版だと思いますが続編も出たようです。
他に「Jリーグチームの設立企画書」や「屋台でラーメン屋さんを始めたい」という方が書いた企画書などを集めたものも読みました。
JリーグチームはA3一枚(だったと思う)にすべてをまとめたものになっていたり、屋台のご主人も書式にこだわらず手書きされていました。それらから「書式ではなく要するに伝わればいいんだ」という考えに至りました。
今も様々な本が出ています。書き慣れてきたらその中からピンとくるものを選んで真似てみましょう。
オードソックスな企画書のフォーマットから始め、いろいろ見て工夫されると企画を考えることが楽しくなると思います。
提案上可能であればパワポを使わないのもいいと思います。
本が汚くてすいませんm(__)m
カバンに入れっぱなしにするとこうなります(笑)
コピーライター谷山雅計さんの本です。この中で谷山さんが手がけられた新潮文庫のキャンペーン「Yonda?」の企画書が公開されています。
この企画書は一般的なスライド形式ですが、凝ったものではなくシンプルに書かれています。企画書にする前の段階でデザイナーさんとかなり内容を詰められています。実はここが大事です。」
これは企画書ではなく企画そのものの本ですが、トッププロの企画書が公開されている例としてご紹介。僕は谷山さんのお考えを基本のひとつに置いています。
今はウェブ上でも様々な企画書サンプルが公開されていると思いますので、いろいろご覧になられるといいと思います。
トッププロでも、企画書を筆で書くとか企画と関係ないギャグを入れるなどサービス精神を発揮する人もいます。そこは皆さん工夫や試行錯誤をしています。
筆で書くのは失敗だったそうです(笑)
水泳の本を読んでも泳ぎは上手くならないのと同じ。
企画書より先に、まず企画を立てることです。
大事なのは「企画を立てながら企画書について学ぶ」こと。
水泳の本を読んでいても泳げるようにはなりません。やはりプールに入らないといけない。それと同じことです。
「要するに伝わればいい」×「いい企画書を書きたいと思ったら、いい企画を作れ」が僕の基本的な考えですが、実際に書いて提案していたから教わったときに腑に落ちたのだと思います。
企画は簡単な思いつきキーワードから大きく発展していくこともあります。それはとても醍醐味。
ぜひチャレンジしてみて下さい。